住宅資材業界とナイスグループを素適に結ぶ信頼ホットライン ― ナイスビジネスレポート
第1788号   2003年(平成15年)11月10日発行
「地震から家族の命を守りたい」 耐震補強を呼びかけ
岩井木材鞄W示会
 10月11〜13日の3日間、 京都市北区の岩井木材蒲l敷地近くの民家にて、 耐震補強見学会が行われました。 これは、 「紫式部通り ほのぼの市」 の一環として行われたもので、 木造民家の耐震補強工事中の様子を公開し、 一般のお客様に耐震改修をアピールするもの。 会場では、 このほかに築100年の民家の床下を公開した見学会や、 木工教室などが開かれ、 のべ200人が来場しました。
 イベントの様子と、 イベントを主催した岩井木材鰍フ代表取締役・岩井清氏のインタビューをお送りします。
岩井木材椛纒\取締役 岩井 清氏
岩井木材
代表取締役 岩井 清 氏
「紫式部通り ほのぼの市」 展示会概要
開催日 10月11日(土)〜13日(月) 各10〜16時
場所 京都市北区 (岩井木材蒲l敷地、 木造民家、 ほか)
趣旨 古い木造住宅への耐震補強を広げるため、 耐震補強工事中の民家で見学会を行い、 啓蒙を行う。
主催 岩井木材蒲l (京都市北区)
協力 社団法人紫式部顕彰会、 NPO法人京都自給ネットワーク、 みつ和総合環境研究会関西支部、 NPO法人生活環境協会関西支部、 京都・こだわりの会 「町家なおし隊」、 ほか
内容 ・木造民家 (築40年) の耐震補強工事の様子を公開
・木造民家 (築100年) の床下の様子を公開
・有機栽培減農薬野菜、 産地直送食品などの販売
・ 「エコリフォーム」 展示相談会
・ちびっこ木工教室の開催 (無料ボランティア)
―このようなイベントを開催されたきっかけを 教えてください。
 8年前、 阪神・淡路大震災のとき、 ボランティアで現地に行き、 古い木造住宅が倒壊している様子を目の当たりにしました。 そのときに、 京都で大地震があればもっとひどい被害が出ると直感しました。 それで、 住宅の耐震補強の大切さをもっと知ってほしいと思ったのです。
 また、 「ナイスわくわくフェア」 で、 住宅の耐震性向上を訴える 「住まいの構造改革」 の展示を見て、 私たち地域に住む材木店こそが、 一般の方々に木造住宅の耐震性について訴えかけなければならないと感じたことがきっかけでした。
―京都は歴史のある町ですが、 住宅の耐震補強 の状況はいかがですか。
 京都には建築後100年を超える古い木造住宅が多く残っています。 また、 長屋、 町家という京都特有の住宅様式のため、 隣近所との関係で増改築を行いにくいという問題もあります。 そのため、 今もなお旧耐震基準で建てられた住宅が耐震補強されないまま多く残っています。 コンクリート基礎のない家も珍しくなく、 シロアリの被害なども深刻です。 だからこそ、 耐震改修の大切さを訴える必要があると感じています。
―あえて、 耐震補強工事が進行中の家を公開したのはなぜですか。
 耐震補強は費用がかかるため、 敬遠するお客様も多いと聞きます。 そこで、 どのような工事を行うのかと、 どのくらいの費用がかかるかということを、 補強の様子を見ていただくことでより具体的に理解していただきたいと考えたのです。
―公開した民家は、 何年くらい前に建築された ものなのですか。
 築40年のものです。 たまたま、 当社で所有している社員寮が長い間使われずに残っていたので、 これを利用しました。 柱や梁には古材を利用しており、 材自体は80年くらい前のものだと思われます。 解体してみると、 2階の柱が乾燥して縮み、 梁から浮いてしまっていたり、 1階の柱がシロアリにくわれていたりと、 傷みが進んでいました。
 今回は、 構造材に耐震補強金物を取り付け、 1階の壁面と床面には構造用合板を張りました。 また、 2階は、 床にスギの無垢フローリングを敷き、 天井を取って梁をあらわしにして、 リフォームの一例として展示しました。
―大変多くのお客様がご来場されましたがお客 様の声を直に聞いてみて、 どうでしたか。
 熱心に話を聞かれる方が多かったです。 京都という土地柄、 築60年以上の古い家に住んでいる方も多く、 真剣にご相談されるお客様も多くいらっしゃいました。 京都新聞に取り上げられたこともあって、 大変多くの方から反響がありました。 工事中の家を見ながらということで、 お客様も工事のイメージが沸きやすく、 話がしやすかったようです。
―最後にイベントの感想をお願いします。
 今回の展示会は、 商売や会社の名前をあえてあまり前面に出さず、 地域の町おこしイベントの一環として行いました。 その裏で、 たくさんのボランティアの方々にご協力いただき、 感謝しています。
 展示場となった民家は、 当分の間はこのまま残し、 見学会を通じて耐震補強の大切さを訴えつづけていきたいと思います。
―ありがとうございました。
展示会場とした2軒長屋
構造を確認できるようむき出しに
2階部分はリフォーム例として使用
展示会場となった築40年の2軒長屋。左側が耐震補強工事中の1軒 会場内部の様子。床や天井などもあえてむき出しのままにして、構造をみられるようにした 2階部分は、床、壁、天井を張り替え、リフォームの一例としてご提案
 
会場風景 無料の木工教室の様子 古材を再利用した梁 シロアリ被害を受けた柱
ご自宅も同じくらいの築年数ということで、熱心に相談されるお客様が多かった 岩井木材兜~地内で行われたイベント会場では、無料の木工教室も開かれた 古材の板を合わせた梁。京都の住宅には、このような「再利用」された構造材も多いと言う もう一つの会場となった築100年の木造住宅の様子。シロアリの被害を受けている