


民主党はマニフェストのなかで、住宅政策についてリフォームを最重点に位置付けると明記しており、予算概算要求においても「リフォーム重視」の姿勢が明らかになっています。
国土交通省(以下、国交省)は、「人と環境に優しく、質の高い住宅の普及促進」を重要施策に掲げ、そのための施策の一つとしてリフォーム市場の環境整備をあげています。具体的には、インスペクション(建物検査)の実施、住宅履歴情報の蓄積、保証・保険制度の活用を行う社会実験的プロジェクトに対して助成制度を創設するなどの支援を行う方針です。また、8月末に提出した概算要求では、既存住宅の売買時やリフォーム時における売り主・施工業者の瑕疵担保責任などをてん補する保険制度の構築を支援し、保険制度への加入を促進するとしていました。10月15日の概算要求には明記されていないものの、同省ではすでにこの保険制度の構築に向けた検討を進めていることから、実施されるものと見られます。




国交省は、ストック型社会への転換、リフォーム市場の活性化を通じた経済成長を図るため、住宅・建築物における省CO2・長寿命化を推進し、優れた省CO2技術が導入された住宅・建築物プロジェクトへの支援や、省エネ改修への支援、長期優良住宅の支援などを実施するとしています。また、今年度の補正予算で実施された、中小工務店向けの長期優良住宅への助成制度についても、継続して行われる見通しです(補助額や戸数など詳細は発表されていません)。




国交省は8月末の概算要求で、再生産可能な循環資源である木材を大量に使用する大規模木造建築物などの普及を図るとして、100億円を予算要求していました。予算額は減額される見込みですが、今回の概算要求においても大規模木造建築物の整備促進が盛り込まれています。
また、農林水産省では「国産材利用拡大総合対策事業」として前年度の3億円を大幅に上回る20億円を要求しており、住宅・建築・土木分野などでの国産材資材の開発や利用推進、違法伐採対策、CO2抑制効果の「見える化」などを支援するとしています。
民主党は、木材住宅産業を「地域資源活用型産業」の柱として推進するとともに、木材自給率を10年後に50%に向上させるとしています。今後も木造化や国産材利用推進に向けた施策に重点が置かれると見られます。

平成22年度予算概算要求から読み解く
新政権で住宅政策はどう変わる?
キーワード1 既存流通・リフォーム
建物検査・保険で市場整備へ「既存・リフォーム」のポイント
●重要施策として予算を重点配分。
●インスペクション(建物検査)の実施、住宅履歴情報の蓄積、保証・保険制度の活用を行う社会実験的プロジェクトへの助成を行う。
●既存住宅の保険制度の構築を支援し、保険加入を促進する(8月末時点)。
税制でもリフォーム重視
税制においても「リフォーム重視」の流れが加速しそうです。
国交省は、前政権下で8月末に提出した平成22年度税制改正要望において、既存住宅の改修にかかわる税制優遇措置の拡充や、賃貸住宅にかかわる税制優遇措置の創設をあげていました。今年度の税制改正は住宅ローン減税制度の延長および拡充などに重点が置かれ、住宅の取得支援が中心でしたが、来年度は既存住宅の改修や、良質な賃貸住宅の新築・改修工事を税制優遇措置の対象とすることで、良質な住宅ストックを拡充していきたい考えを表明していました。
省CO2キーワード2
中小工務店向け長期優良住宅補助を継続「省CO2」のポイント
●地球温暖化対策の推進のため重視。
●住宅の省CO2プロジェクト、 省エネ改修、長期優良住宅を支援する。
キーワード3 耐震改修
密集市街地の整備促進「耐震改修」のポイント
●国民の生命の安全に直結するとして前年度を上回る予算を要求。
●密集市街地の老朽建築物の除却や、 建て替えなどを支援(8月末時点)。
キーワード4 木造化・国産材活用
大規模木造建築物・国産材住宅を支援「木造化・国産材活用」のポイント
●地域資源活用、 木材自給率向上の点からも重視。
●大規模木造建築物の整備促進を図る。